かな~~り遅いですが、Hi-STANDARDの奇跡のニューアルバム「GIFT」を聞きましたので、軽くレビューしたいと思います。
年齢的に本当ににハイスタど真ん中世代です。細かく言えばちょっと早い世代です。
ハイスタが大きく日本で売れる前にハイスタを知り、ハイスタで英語歌詞の歌の入り口をくぐったお爺さんです。
それまで英語の歌詞には大きく壁があった私でしたが、ジャパニーズ歌謡の抑揚に乗せて放たれる難波の超絶へたくそ日本語英語のおかげで、私は英語歌詞への隔たりがなくなりました。
それ以来ハイスタはもとより、沢山の海外バンドを聞き、いろいろな感受性を身に着けることができました。
そしてこれは私だけではなく、沢山の人が「あ、俺も俺も!」そう感じているでしょう。
まあ、そんな神なパンクバンドハイスタも解散してしまい、もう新曲聞けないんだな、何てたまにランダムで垂れ流しているときにハイスタがかかるたびにそんなこと思っていた矢先の復活。
そしてシングル、ミニアルバム、オリジナルアルバム投入という奇跡が叶い、これに至ります。
Giftを聞くまでは90%情報を断絶しており、ようやく10回ほど聞いて感覚をつかんでレビューを見ましたら、結構あれていました。
でも結構想定内。こうなるでしょうね。
ハイスタが一気に爆発した「AngryFist」が出た時代。インターネットなんてほぼ皆無で、皆店でかかっている曲を頼りに、友達のウォークマンを頼りに、CD屋のおっちゃんの情報しか頼りはなかった。
その中で新規開拓は3000円の大きなばくちでした。
私もその博打に投資し、見事ハイスタを引いて見せた。
それは誰にも教えたくない大事な宝物。「俺だけが知っているすげー格好いいバンド!」
やがてハイスタは私たちの時代の宝になり、神格化され、それは若い世代にも受け継がれた。
全盛期に解散したこともさらに拍車をかけてハイスタを神にさせてしまった。
そして急ぎ足な時代が流れ、神の偶像となったハイスタが戻ってきた。
皆は神の降臨に、自分たちの思いを重ねた。
しかし、それはあくまで流れゆく時代を進んできた自分たちが勝手に作った偶像だった。
皆はまだ、自分たちが上記した「子供の目をした贈り物を待つ宝石のような心」を持っていると思っていた。
しかし、インターネットが普及し、全てがインスタントになり、自分たちもインスタントになっていたのだ。
そんな汚れた目でハイスタを見たときに、彼達は「物いう債権者」になっていたのだ。
自分達が変わってしまったことを棚に上げ全員が言う「ハイスタは変わった」と。
私はこのレビューの荒れを見たときに、何故ハイスタは解散したのか分かった気がした。なぜ復活しなかったのか分かった気がした。
そう、それは”これ”だからだ。
パンクキッズ達はネットで物申す債権者に成り代わり、既に汚れてしまった。
ハイスタは彼らに一つの贈り物をした。それが「Gift」だ。
横山、難波、共にお世辞にも大きく音楽性が幅広くなったとは言えないが、それぞれのフィールドでプライドを持って今日まで音楽性を高めてきた。
それは各レコードを聴けばわかることで、じゃあ、それを踏襲して新制ハイスタを描いたのか?と言えば答えは「ノー」です。
それはこれが「Gift」だから。
この作品を格好つけて音楽性で語るよりも、やっぱハイスタ恰好いーなー!無心でヘッドバンキングしちゃう。電車で我慢できずにつま先でリズム取っちゃう。
そんな感動をもらった私にもGIFT。
「なんだよこれ!ハイスタこんなんちゃうわ!」と毒づくあなたへもGIFT。
このGIFTはハイスタを通して、今のあなたがどんな位置にいるのかがよくわかる「GIFT」なんだと思う。
個人的には、ハイスタのアルバムが一つまた増えて、嬉しいしかないよ。ありがとう!ハイスタ!